2015年04月号
糖尿病の治療は血糖値を下げて、合併症を予防することを目指していますが、低ければよいというものではありません。
血糖を下げる薬やインスリンを使っていると、体に必要なレベルより血糖値が下がってしまうことがあり、これを低血糖といい、血糖値が70mg/dl以下が該当します。
症状は、発汗、不安感、動悸、手の振るえ、顔面蒼白などで 頭痛、空腹感、眼のかすみ、生あくびなども見られます。血糖値が50mg/dl以下に下がる強い低血糖では、意識レベルの低下、昏睡、けいれんなどが起こり、認知症と間違うような異常行動がみられることもあります。
低血糖は体にストレスで、重篤なものは命にも係ります。
低血糖は、いわば治療薬の副作用ですから、できるだけ、低血糖を起こさないように糖尿病治療を行なっていくこと、薬、インスリンを使っていくことが重要です。
上記の低血糖と思われる症状があれば、直ちにブドウ糖5~10g(無い場合は砂糖10~20g)を服用してください。
ブドウ糖の錠剤は病院か薬局で、無料でいただけますので、常に携帯しておくのが良いでしょう。
重篤な症状、意識レベル低下がある場合は、直ちに救急受診する必要があります。この時は、まわりの人、家族などが気づいてあげる必要があります。
軽いものでも低血糖症状があったときは、必ず診察時に主治医に報告して、原因を考え、薬が効きすぎの場合は、減量、調整してもらう必要があります。
よくある原因としては、
- 食事をとらないのに薬を飲んだ、またはインスリンを注射した
- 食事が何らかの理由でとれなかった
- 薬の量、インスリンの量を間違えた
- いつもより多く運動した
などがあります。
低血糖は、糖尿病の状態が改善し、それまでの高血糖が正常に近づいてきたときによくおこります。
良くなってきた時に注意が必要です。