2013年03月号
最近、服薬アドヒアランスという言葉をよく聞くようになりました。服薬アドヒアランスとは、患者様自身が病気を受容し、治療方針の決定に参加し、積極的に治療を行おうとする態度のことを言います。
すなわち、患者様が自分の病気を受け入れ、主治医を信頼し、薬のことも理解してきちっと飲んでいると(アドヒアランスが良好といいます)、病気の経過が良いことが多いようです。反対に、自分の病気のことを自覚症状がないからと無視したり、主治医との関係が良好でなかったり、薬も飲んだりやめたり(アドヒアランスが不良といいます)というような方は、病気の経過も悪いことが多い傾向にあるようです。
服薬アドヒアランスが悪くなる要因としては、患者様の問題、医師の説明不足、薬自体の飲みにくさなどが関係していると思われます。
生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症等)でも、きちっと薬を服用した方の経過が良いことが証明されていますが、当初は症状が無い場合が多いので、病気と認めたくないとか、どうして薬を飲まなくてはならないのか理解できないなど、疑問をもたれる方も多いようです。この点は医療者が充分、治療の必要性を説明する必要があります。また、副作用が怖いので薬を飲みたくないとのご意見も聞きますが、現在発売されている生活習慣病に関する多くの薬は、副作用が非常に少なく、その効果は証明されています。逆に、症状が無いからと病気を放っておく方がもっと怖いのです。
服薬アドヒアランスが悪くならないように、当院でも医師が患者様に、できるだけ丁寧に病状、薬等について説明することを心がけています。皆様も病状、検査所見、治療方針、薬について疑問がありましたら、どうぞご遠慮なく、医師やスタッフにお聞きください。