心拍数 はやい?おそい?
2013年05月01日
人の心臓の拍動回数、心拍数は24時間心電図(ホルター心電図)で記録してみると1日約10万回であることが分かります。1分平均70回くらいで、およそ1秒ごとに拍動していることになります。
本川達雄氏の“ゾウの時間、ネズミの時間”という有名な著書があります。ハツカネズミの心臓は0.1秒ごとに拍動、心拍数は600回/分、ゾウは3秒ごとに拍動、心拍数は20回/分で、ハツカネズミの寿命は2~3年ですが、ゾウは70年くらい生きることもあるそうです。人間の時間の計測ではゾウが長生きということになるのですが、それぞれの時間の流れがあり、ハツカネズミの時間は速く流れ、ゾウの時間はゆっくり流れ、体の大きい動物ほど心臓はゆっくり打ち、時間の流れもゆっくりのようです。そして、哺乳類の心臓は一生に約15億回打つと決まっていて、心臓が鼓動する速さで、寿命が決まっているとの説があると書かれてあります。[続きを読む]
服薬アドヒアランス(薬をきちっと飲むことの大切さ)
2013年03月01日
最近、服薬アドヒアランスという言葉をよく聞くようになりました。服薬アドヒアランスとは、患者様自身が病気を受容し、治療方針の決定に参加し、積極的に治療を行おうとする態度のことを言います。
すなわち、患者様が自分の病気を受け入れ、主治医を信頼し、薬のことも理解してきちっと飲んでいると(アドヒアランスが良好といいます)、病気の経過が良いことが多いようです。反対に、自分の病気のことを自覚症状がないからと無視したり、主治医との関係が良好でなかったり、薬も飲んだりやめたり(アドヒアランスが不良といいます)というような方は、病気の経過も悪いことが多い傾向にあるようです。[続きを読む]
お正月です。今年こそ、禁煙にチャレンジ!
2013年01月01日
ポコさんの健康クラブでは、ニコチン依存症のこと、タバコの害のこと、禁煙補助薬のことについて、お話ししてきました。新年を迎えて、いよいよ禁煙にチャレンジしてみませんか。
1、 禁煙を決意したら、準備を始めて下さい。
家族や身のまわりの人に禁煙の意思を伝え、協力をお願いします。
禁煙開始の日を決めます。(休日、誕生日、記念日など)
身のまわりのタバコに関する物をすべて処分します。(残りのタバコ、灰皿、ライターなど)
ニコチン依存症に該当する方は、薬を使用しての禁煙の成功率が高いので、是非クリニックを受診、利用してください。
禁煙のためのお薬
2012年11月01日
禁煙治療にはどのようなお薬を使うのでしょうか?
禁煙補助薬には、現在、以下の3種類のものがありあます。
1. バレニクリン(内服薬、健康保険適応、病院で処方)
タバコの煙に含まれるニコチンが脳内のニコチン受容体に結合すると、ドパミンが放出され、快感が生じます。バレニクリンはこのニコチン受容体に結合し、ニコチンの作用で放出されるドパミンよりも少量のドパミンを放出させ、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減します。同時にニコチンが本受容体に結合するのを阻害し、喫煙により得られる満足感を抑制します。すなわち、タバコが吸いたくなくなるお薬です。
タバコの害 ほんとうに知ってますか?
2012年09月01日
タバコが体に悪いことは、皆様漠然と知っておられますが、具体的にどうなのか、詳しく分かってない人が多いのではないでしょうか。
タバコを吸う人の平均寿命は吸わない人に比べて10年短いことが分かっています。そして、タバコの弊害としては主に以下の5点があげられます。
1. 循環器疾患のリスクが上がります。
タバコの煙を吸うと血管が収縮、血圧が上昇、心拍数が増え、一酸化炭素で酸素不足になり、心臓に負担がかかります。タバコの煙の中の活性炭素などのために動脈硬化が促進され、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、血管の病気にかかりやすくなります。
2. 呼吸器の疾患を引き起こします。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫など)、喘息などを引き起こし、呼吸困難で苦しむようになります。[続きを読む]
ニコチン依存症とは
2012年07月02日
タバコは体に悪いと分かっているんだけど、どうしても禁煙できない人はニコチン依存症と考えられ、保険を使って、禁煙治療を受けることができるようになっています。
1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上であり、以下のニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)で5点以上の場合、ニコチン依存症と診断されます。
コレステロールは高い方が長生き?低い方が長生き?
2012年05月01日
現在、血液中のコレステロールは低い方が良いとされ、高い人は食生活、運動での指導を受けたり、薬を飲むよう指導されたりします。
以前、コレステロールといえば、総コレステロールのことをいい、正常値は220mg/dl未満でした。現在は総コレステロールの主な成分である、LDLコレステロール(悪玉コレステロール 正常値140mg/dl未満)とHDLコレステロール(善玉コレステロール 正常値40mg/dl以上)を別々に測定して、判定しています。
コレステロールは細胞の構成に必要な成分ですが、LDLコレステロールが多すぎると、血管壁などに沈着してゆき、動脈硬化が進みます。HDLコレステロールは、余分なコレステロールを回収する作用がありますので、逆に低い人が動脈硬化になりやすいといわれています。
現在、数多くの研究で、コレステロール(主にLDLコレステロールのこと)が高いほど、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患になりやすく、死亡率も上がると報告され、薬で下げた人の方が、放置した人より死亡率が低下したと報告されてきました。
しかし、数年前、コレステロールの低い人のほうが死亡率が高いとの発表もありました。これは、どういうことでしょうか?[続きを読む]
ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)て何?
2012年03月01日
糖尿病の検査を受けたことのある方であれば、1度は聞いたことがある有名な検査です。
血糖値と共に糖尿病の診断に用いられ、6.1%以上(JDS値)で糖尿病の可能性が高くなります。また、糖尿病の治療中の方では、この値が高いと血糖コントロールが悪い。低いと良いと判定されます。
そもそもヘモグロビン(Hb)とは血色素のことをいい、赤血球の赤い色(血液の色)の成分です。血液検査で、Hbが少ないことを貧血といいます。このHbは、90%を占めるHbA、約2%のHbA2、0.5%のHbF、そして約7%のHbA1などから成り立っています。この内のHbA1はヘモグロビンにグルコース(ブドウ糖)がくっついたもので、その主成分がHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。赤血球の寿命は約120日(約4ヶ月)ですが、ヘモグロビンは赤血球の中に存在する間に、血糖の濃度に依存してその中のHbA1cが増加していきます。[続きを読む]
お正月ですが、アルコールは?
2012年01月01日
1. アルコールをたくさん飲むと体に悪いことは、皆様知っておられます。
肝臓、膵臓が悪くなることがあるとか、精神的にアルコール依存症となってはまわりの人も大変だとか、です。大腸がんや食道がんも増加するとの疫学研究結果も発表されています。
一方で、酒は百薬の長という言葉もあり、適度の飲酒は体に良いとの説があります。実際、少量の飲酒をする人のグループで虚血性心疾患(心筋梗塞)の死亡率が低いというデーターが発表されています。
では、少量とはどのくらいでしょうか?私たちが調査した結果によると、健診でほとんど異常がない人の飲酒量は、日本酒で換算して1日1合未満でした。したがって、1日平均1合以上の飲酒習慣のある方は、中年以降になると健診でなんらかの異常がある場合が多いといえます。[続きを読む]
犬の散歩は運動か?
2011年12月06日
生活習慣病の予防、改善に運動の習慣が良いことはよく知られています。運動することで内臓脂肪が減り、血圧、血糖、中性脂肪、コレステロール等が低下し、心肺機能は向上、骨や筋肉も強くなり、老後の寝たきり予防にもなります。
患者様に『何か運動なさってますか?』と聞きますと、『そうですね、犬の散歩ぐらいですかね。』と答える方がよくいます。犬の散歩は運動ですか?と健康運動指導士の方に聞きますと、犬の散歩なんて運動には入りません。とはっきり言われます。
健康に良い運動は、運動強度が低~中等度の有酸素運動です。具体的には、ウオーキング、ジョギング、サイクリングなどです。これらの運動を1日30~60分、週3回以上行うのが良いと言われています。運動の強さの大まかな目安は運動時の脈拍を測定して判断できます。自覚的には少しきついかなと思うくらいの運動強度が適当といわれています。[続きを読む]