大事な腎臓を守ろう!

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2015年12月号

腎臓検査や検診を受けた時、“腎臓が少し悪いですね”と指摘されたことがある方、少なくないと思います。

腎臓は非常に大事な臓器で、重大な病気にかかった時、その予後(生きるか死ぬか)を左右する一因は腎臓の機能だと言われています。

原因を問わず、慢性的に腎臓が悪くなっている状態を慢性腎臓病CKDといいます。腎臓の機能の低下は、“血液検査でクレアチニン値が高い”とか“尿検査で蛋白が出ている”などで診断されます。
腎臓は加齢、高血圧、糖尿病などいろいろな原因で、その機能が悪くなっていきますが、軽い時期には無症状なので、軽視されがちです。

日本人では成人の8人に1人が慢性腎臓病といわれています。慢性腎臓病は末期腎不全(透析が必要な)や心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中等)の危険因子であり、腎臓が悪くならないようにすることは大変重要です。

それでは、“腎臓を良くするお薬をください”とよく言われますが、現状では直接腎臓を良くする薬はないように思います。

まず、行うことは生活習慣の改善です。減塩、禁煙を行い、肥満がある人はカロリー制限と適度な運動が必要です。

さらに、原因疾患の加療をしっかり行い、良い状態を保つことが重要です。高血圧がある場合は、血圧を130/80mmHg以下にコントロールします。
糖尿病がある場合は、HbA1cが6.9%以下になるように血糖をコントロールします。脂質異常症がある場合は、悪玉のLDLコレステロールを120mg/dl未満にコントロールするなどです。

腎機能が中等度以上に低下すると、貧血を合併しやすくなりますが、その場合は、鉄剤の補充や赤血球造血刺激因子製剤の注射を行います。
また、尿毒症物質を増やさないため、球形吸着炭の内服を行うなどして、腎機能の悪化を防ぎます。

そして、定期的な検査を受けて、かかりつけ医と相談し、悪化時には腎臓専門医への受診が必要です。



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