2012年03月号
糖尿病の検査を受けたことのある方であれば、1度は聞いたことがある有名な検査です。
血糖値と共に糖尿病の診断に用いられ、6.1%以上(JDS値)で糖尿病の可能性が高くなります。また、糖尿病の治療中の方では、この値が高いと血糖コントロールが悪い。低いと良いと判定されます。
そもそもヘモグロビン(Hb)とは血色素のことをいい、赤血球の赤い色(血液の色)の成分です。血液検査で、Hbが少ないことを貧血といいます。このHbは、90%を占めるHbA、約2%のHbA2、0.5%のHbF、そして約7%のHbA1などから成り立っています。この内のHbA1はヘモグロビンにグルコース(ブドウ糖)がくっついたもので、その主成分がHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。赤血球の寿命は約120日(約4ヶ月)ですが、ヘモグロビンは赤血球の中に存在する間に、血糖の濃度に依存してその中のHbA1cが増加していきます。
そこで、HbA1cの濃度を測定すると、過去1~2ヶ月の血糖の濃度を反映するため、食事に影響されない長期の血糖のコントロール状態がわかるわけです。
わが国で使用してきたHbA1c値(JDS値)は海外の多くの国で使用されているHbA1c(NGSP値)に比較して約0.4%低いことがわかっておりました。
今回、本年4月より、わが国でもHbA1c検査の測定値を国際標準化するため、従来のHbA1c値に0.4%を加えた値を使用することになりました。