2012年11月号
禁煙治療にはどのようなお薬を使うのでしょうか?
禁煙補助薬には、現在、以下の3種類のものがありあます。
1. バレニクリン(内服薬、健康保険適応、病院で処方)
タバコの煙に含まれるニコチンが脳内のニコチン受容体に結合すると、ドパミンが放出され、快感が生じます。バレニクリンはこのニコチン受容体に結合し、ニコチンの作用で放出されるドパミンよりも少量のドパミンを放出させ、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減します。同時にニコチンが本受容体に結合するのを阻害し、喫煙により得られる満足感を抑制します。すなわち、タバコが吸いたくなくなるお薬です。
少量より内服開始し、漸増し、8日目から禁煙を開始、12週間で終了します。禁煙の成功率は60%以上といわれています。
主な副作用は嘔気、頭痛、便秘などです。
2. ニコチンパッチ(貼付材、健康保険適応、病院で処方)
喫煙時のレベルを超えない範囲のニコチン補充し、禁煙時の離脱症状を軽減し禁煙を容易にするものです。ニコチン置換療法ともいい、ニコチンを喫煙以外の方法で体内に吸収させることで、禁煙時の離脱症状を軽減します。
ニコチンのパッチを禁煙開始日から1日1枚貼付します。だんだん薬の量を減らしていき、8週間で終了します。禁煙の成功率は40~60%ぐらいです。
副作用としては、貼付局所の皮膚炎、かゆみ、不眠などがあります。
3. ニコチンガム(口の中でニコチンを吸収させる 薬局で購入)
ニコチンパッチと同じニコチン置換療法ですが、パッチに比べ、効果は速く現れ、速く消失します。禁煙開始から3日間は1日10個前後服用し、4日目以降減量していき、3ヶ月以内に終了します。噛みすぎると、ニコチンによる喉や胃の刺激があります。
当院での禁煙治療には、1か2を用います。是非ご相談ください。
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